電子工作４８

電子工作８９　–　無線式リモートAC100Vラインロータリースイッチの製作

Electronics Project 89 – Wireless AC100V Line Rotary ON/OFF Switch

概要 Introduction

前の電子工作８８と同じ小型の無線送受信器モジュールセットを使ってAC100VラインをON/OFFするDCギヤモーター駆動のロータリー（回転式）スイッチを製作した。このDCギヤモーターが秋葉原で２００円ほどの価格で出回っていたので使ってみたくなったのである。原理は無線受信器のリレーが閉じている間ギヤモーターの軸が回転し、それに取付けられているカムがその上に乗っているマイクロスイッチのレバーを動かし、カムの山の部分でスイッチがONに、谷の部分でスイッチがOFFになるというものである。したがって、送信器のSW （スイッチ、Momentaryの場合）を押し続けると、受信器側のギヤモーターがゆっくり回転し、マイクロスイッチを２秒間位の間隔でON―＞OFF―＞ON―＞OFF　・・・・させる。

回路図 Circuit Diagram

下に回路図を示す。ミニ受信器は電子工作８８のそれと同じ。送信器からの信号で内蔵のリレーが閉じるとDC５VがVRを経由してDCギヤモーター（３－５V、減速比４００：１？）に流れ、そのシャフトをゆっくり回転させる。回転速度はVRで多少調整出来るが１５ ohm位が実用上良いようだ。マイクロスイッチは６Aまで耐えられ、接点からのノイズを考慮してバリスタを入れた。マイクロスイッチのレバーを動かすギヤモーターに装着するカムは自作しないといけない。１０年位前に購入してあった現在模型屋さんでアームセットとか呼ばれているプラスチック材（全長２０５mm、幅１２mm、厚み２．５mm、穴径３．１mm、穴ピッチ１０mm、材質ABS？）を適当な大きさに切って、穴の部分に加熱した小型の半田ごてを当て溶融させてギヤモーターの軸の形に合うように形状を整え、ヤスリなどで微調整する。

(Fig.1)

(Photo 1)　実験中：　中心部の赤いものがミニ受信器、その上部にギヤモーターとマイクロスイッチが見える。左下の送信器のSW0を押すとギヤモーターが回り、そのカムがマイクロスイッチのレバーを押してONにし、AC100W電球を点灯させる。

(Photo 2)　一番左の写真ではギヤモーターのカム上にマイクロスイッチのレバーがバネの力で押し付けられて動く様子が分かる。中央の写真ではカムがギヤモーターの軸から外されている。一番右の写真は軸（長さ８mm）にワッシャ４枚を入れカム（緑色）が確実にマイクロスイッチのレバーを押し、正常にON/OFF動作出来るようにした様子を示す。最下段の写真は昔購入したカムを自作するために使ったプラスチック製のアームセットと呼ばれる部材。

(Photo 3) 今回使ったギヤモーター、様子が分かるように同じものを９０度回転させて撮影してある。サイズは全長７０X幅２３X高さ２８mm。下の部分がDCモーターで、上の箱状の部分に減速ギヤ類が入っている。回転数を推測してみる。DCモーターの回転数がDC５Vで８０００回転/分として、出力軸の回転数を２０回転/分とすると減速比は４００：１位かと思われる。非通電時には軸は指では回せない。

(Photo 4) 下に示すように、前の電子工作８８の２チャンネル送信器（左）のSW「B」と電子工作８７の４チャンネル送信器（右）の「SW0」（一番左のキー）の両方のSWにミニ受信器が反応してロータリースイッチを動かす。.

結果とコメント

１）今回のギヤモーターは秋葉原の千石電商で箱に入って無造作に￥２００ほどで売られていた。何かに使えないかと３個ほど買いだめしておいた。昔製造されたものが放出されたのかも知れない。ラベルもなく仕様は不明。ギヤ比は４００：１位と推定され（軸を指で回せない）、トルクはある。一方、２軸だが似た形状のものが付属部品付きでツクモロボット王国で￥６１７で売られていた。同様に使えるかと思って購入した。ダイセン電子工業ギヤモーター（ギヤ比４８：１）TGP01D-130-48である。回転数はDC３Vで１６５回転/分位に達し、４、５Vでは速すぎて手動で計測出来なかった。非通電時には軸を指で回すことが出来る。前者の￥２００ギヤモーターとは明らかに違う。

２）製作したギヤモーター駆動ロータリースイッチの良いところはプログラム入のPICなど使わないので構造が簡単なこと。送信器のSWを押して２秒間ほどしてマイクロスイッチが導通し、そのままもう２秒間ほど押し続けると今度は非導通になる。その繰り返し。スタート時のカムの位置によっては非導通―＞導通と変わるかも知れない。

３）￥２００ギヤモーターは気に入っているので、何か他に使えないかなと思考を巡らしている。

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